2023年はポジャギからオンラインショップをスタートします。
今回ご紹介する、ほぼ同じ大きさで作られた9枚の白いポジャギは、夏服に使われる薄手の麻布、苧麻(モシ)のハギレのパッチワークから生み出されたモシチョガッポ。日本でいう風呂敷や袱紗のような存在で、物を包んだり持ち運んだりするための道具。しかしポジャギの魅力は用途だけではない。余り布を活用する細やかで規則正しい手仕事が評価されると共に、その布の美しさが人々を魅了し続けています。
ポジャギは「ポ」とも呼ばれ「福(ぽ)」と発音が同じであることから、包まれるものが幸福を象徴するとも考えられ、また福よ来いと歌いながら針仕事がされることもあったそう。ポジャギについて「真心を尽くしたものは招福の媒介」と記している書籍がありました。人それぞれのやり方、スピード感、深さや広さがあっていい、正しさに囚われず、ゆっくりと進んでいこうと、自分自身にも沁み入る言葉でした。
いくら本を読んだり話を聞いても、こんな繊細な布で物が包まれていたことに、正直実感が湧かない思いもありました。使われた形跡がないポジャギも多く存在し、作ることを楽しむために作られたと推測するという文章を目にして、ああなるほどな、これなら理解できると思いました。ポジャギを作ることは、制限の多かった時代に女性が自分を表現することの一つであったと言われています。
ポジャギは光による透け感が美しく、どうしても窓辺に飾ることばかり考えていましたが、窓際にこだわらず、空間に組み込む楽しさをここのところ実感しています。やっぱり多少は透ける場所の方が良さが、布の良さが引き立つのでしょうか。照明の近くに掛けると、また楽しさが広がります。
つぎはぎもごくシンプルなものを集めました。主張が強すぎず空間のジャンルを越えて楽しんでいただけるのではと思っています。60cm角の小さめだからこそできる空間の使い方を、ぜひお楽しみください。
商品はこちらから▽
https://to-k.net/product-category/textile/
参考書籍
世界のキルト/日本ヴォーグ社
刺繍ポジャギとチョガッポ展/高麗美術館
チェクポ/福音館書店