東京から戻るとすぐに長崎へ。夫のおばあちゃんの四十九日法要。これでようやくさようならを言うことができた。法事の後は、遺された沢山のものを、ひとつひとつみせてもらう。祖母は、華道の師範であり、茶道や染めものも本格的に。わたしも帰省の度にお花を教わったり、心に留めておきたい言葉を掛けてくださったりもした。どれでも好きなものをと言ってもらい、気に入った花器や、古い古賀人形をいくつか選ばせていただく。山のような古書はとても立派なものばかりで、今見ても新鮮に感じる。特に「日本の更紗」という図録は、内容が本当に素晴らしいものだった。
ブラックやマティス、レジェなどは、おばあちゃんの目にはどう映っていたのだろう。ちょうどわたしが生まれた頃の図録。